レッスン楽器


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今村惇子ピアノ教室


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ヤン・リシエッキ コンサート

投稿日:2023-05-04

ヤン・リシエッキのコンサートを聴きました。

その晩は、夕方からひどい雨になり、

上野駅からほんの数秒の文化会館なのに

びしょ濡れになってしまいました。

傘もさしていたのにです。さて

上野駅公園口がすっかり変わっていて

久しぶりなのだなぁとつくづく感じました。

ヤンさんの演奏ですが!

これまた凄いのひと言でした。とても個性的で

コンクールなどを受けずとも各国のオーケストラや

コンサートのオファーがあり、どんどんとキャリアを

積んでいる若者です。ショパンのエチュードと

ノクターンをちりばめて演奏されました。最初

エチュード作品10-1ハ長調からもの凄いスピードで

入ってきました!そのままちょっと偉い先生の

レッスンに持っていったら、「君、全然音になってないよ。

もっとちゃんと弾かなきゃだめだねえ。」とでも

言われそうな飛ばしぶりでした。そのコンサートは

ヤンさんの世界なのだから、何でもあり。

今日のプログラムの始まりとしての効果を

狙っていたのでしょう。

でもちょっとスピード違反でした。

ほんとに! 全体を通して思うのは、

雨が降らないで湿気がなかったら、もっと

クリアな響きがだせただろうにと残念でした。

素晴らしい感性から紡ぎだされるノクターンは

本当に素晴らしくて感動しました。

4番では思わず、すーーと涙が落ちました。

短調の曲が悲しいとか悲壮的曲調だから

涙がこぼれるわけではなく、純粋に

けがれのない響きがきこえてきたときに

そのあまりの崇高さから涙があふれるのだと思う。

その4番のトリオの部分の速さもきいたことが

くらいの超ハイスピードでした。

技術的にここは難しくはないのですが、

すごい速さで弾くのは、やはり大変です。

でもヤンさんの演奏通り、楽譜を見ると

ショパンはそのくらいの速さを要求しています。

ヤンさんのノクターンのCDやっぱりほしいなぁ。


凄い

投稿日:2023-02-09

トリフォノフの凄かったこと!

こんなピアノは聴いたことがない!と

アルゲリッチが言ったというが、ほんと!

まるでMozartとLiszt を合わせた卵の

ような感じがしました。もしかしたら、

今後、クラシック界をリードする

指揮者、あるいは作曲家になるかも

しれません。注目したいですね。


ホールとピアノが良かったと思いますが

彼の繊細な音は、ホールの隅々まで

行き渡り、それはそれはうつくしく

対位法の主旋律は強打することなく

響き渡り、それはそれは神々しい。

本当に何という頭脳の持ち主なのだろう。

バッハのフーガの技法をまるで

自らの作曲のように(実際に14は補筆)

演奏していました。バッハは、この曲の

楽器の指定をしなかったのだが、まさに

この彼のピアノのために書き残したのでは

思いたくなるほどだ。

トリフォノフは、己の凄さに気づいて

いないかのように、自然で謙虚である。

そのあたりは、ドヤァのLisztをも凌ぐ

人間性だ。お寿司が大好きなようなので

ちょくちょく日本に来てくれるのでは

ないでしょうか?これからがまた

うんと楽しみな音楽家です。

 


ダニール・トリフォノフ

投稿日:2023-02-08

明日

オペラシテイ コンサートホールにて

ダニール・トリフォノフ

バッハプログラム聴いてきます。

31歳の若さで、フーガの技法を。

まさに自らの目指す鍵盤の帝王への

階段を着々と昇っていく様である。

 

始めのシャコンヌ ブラームス編は

右手を故障したクララ・シューマンへ捧げた

愛情あふれる左手のための練習曲である。

実際弾いてると本当に左手の練習になるのだが

下手をすると夢中になって、今度は左手を

痛めてしまいそう・・です。

ブゾーニ編の超絶シャコンヌを弾いていると

non・arpeggioと指示のある10度が出てくる。

ん?へ?ほんとに?ダメなの? そんなぁ〜。

という優しくないブゾーニさんを感じるのだが

ブラームス編はそんなことはない。

左手だけで弾くので10度バンバン出てきます。

アルペジオなくして弾きようがない。

でもクララもそしてメンデルスゾーンのお姉さんも

とても手が大きそうです。自身で作曲されたのを

みるとわかります。10度は楽勝なのだろうなぁ。


ブゾーニ編のシャコンヌはYouTubeにて

エレーヌ・グリモーで聴くことができます。

しっかりとたくましくて、大好きです。

手も大きいなあ〜。


ブラームスの左手編に戻りますと、例えば

10度間の和音のアルペジオの内声部に

主題があって、それを強調しようとすると

なかなかこれが難儀なのだ。

そこはこのダニールの強靭な指のタッチで

素晴らしく表現してくれるのかなと思う。

実際そんなレベルの話より、対位法の

極致を堪能できるはずなので、もう

今から楽しみで仕方がない。

 

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