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ピアノ教室コンセール・イグレック♪


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3月30日から5月13日を駆け抜けて!

投稿日:2022-05-18

ブログ読者の皆さまへ

先日からパソコン不調のため、ブログ更新がうまくゆかず、スマホでFacebookにあげているものばかりコピペして紹介するに留まっておりました。

Facebookは見ないという読者もたくさんいらっしゃると思いますので、重複することもあるかと思いますが、ブログにもあらためたいと思います。

 

 

まず4月27日の《YOSEコンサートseason 9》にご来場いただいた皆さま方、本当にありがとうございました。

 

当日は、プログラムのいちばん最初にこっそりとショパン作曲「春」を、アンコールにはドビュッシー「アラベスク第1番」を演奏させていただきました。

 

このコンサート、「もうすこし早く案内くださればよかったのに。」とたくさんの知合いから言われました。

実はこのコンサート、演奏依頼が来たのが忘れもしない3月30日。そう、この日の週末は高山出張やら行きたいコンサートなど予定が立て込んでるから「きょうのうちに桜見に行っとこ〜。」っと、午前中から山崎川の桜を見てふらりと帰り、家で悠々コーヒーを飲んでいたところ、ミュージックステーションからメッセージ。

最初はコンサート出演に何らかの都合で穴が開いて1、2曲弾くのかな〜と思っていたら、4月27日になんと45分のプログラムを、と。普通はこのくらいのコンサートだったら、短くても3か月前、長ければ半年、1年近く前ってこともザラでしょ?

 

でも〈YOSEコンサート〉って何か企画自体が面白そうだし、ゴールデンウィークに2箇所ピアノ工房を訪ねる予定が入っていて自分の好きなドビュッシーの曲を録音してこようと思っていたので、その前ということは「どうせは練習するわけだからやってみるか。」ということで、即お返事。こんな感じでどうですか〜とプログラムを即刻提示、そこから日夜推考を重ね、「最終プログラム決定、コンサート用メッセージとプロフィール」を提出したのが5日め。フライヤーが送られてきたのが10日めの、コンサート18日前。

フライヤーを見て初めて他の出演メンバーのお名前を知りました。その辺りから、練習に熱が入り出したのは言うまでもありません。

しかし会場のピアノも弾いたことはないし、プログラムをさっさと提出してしまったのはいいけれど、楽器のこと考えてなかった!

ショパン/24の前奏曲〜第8番、ドビュッシー/喜びの島、と、かなり高難度の曲を入れてしまってどうしよう。でも曲を考えるのに時間があったらなんだかんだ言って、逆にこんなプログラムは入れられなかったことだろう。どんな事情があろうと、お客さまには関係ない。やるしかない状況、それに7日×4の28日間というタイムリミットが、どれだけ私をいい練習に導いてくれたことか。……

 

〜〜〜眼と耳のはざま。・・・フランスで受けた数々のレッスン、ある日のPascal Rogé パスカル・ロジェ氏の言葉がよみがえった。「Control, just like riding a horse ! 」・・・感覚とコントロールのはざまで、音の撓りを聴く。そこに私の場合、落ちついた眼力が必要。もっともっと効果的な眼の使い方があるのではないか。これは自分のそそっかしさにも通じるところがある気がする。

文書の読み落とし、注意すべき視点の見落とし、etc. これからの10年でこのそそっかしいところがどんどんなくなっていくといい。そうなればもっと練習の純度はあがるだろう。今回のコンサートで得た勉強の報果。〜〜〜 

 

「聴きに来てよかった。」「素晴らしかった。」「何かが変わった。」「音を楽しんでいる。」「魂を吹き込む音色の数々。」・・・とすでにたくさんの感想メッセージや書込みをいただきました。事務所からアンケートを送っていただきましたので、少しだけコラージュしてFacebookのほうに添付してみました。

 

本番に向けて様々な励ましをくださった友人知人たち、遠方から聴きには行けないけれどこころある応援エールを送ってくださった方々、本番前に時間を作って演奏を聴いてくださった方たち、そして久しぶりに私の本番演奏を聴いてくださった知人たち、素敵なママになって聴きに来てくれた教室OGたち、学校の帰り道に駆けつけてくれた教室OB、有休取って京都から駆けつけてくれた友人、仕事の合間の寸暇を惜しんでご来場いただいた方々などなど。コロナ禍で終演後の面会はままなりませんでしたが、客席の中に皆さまのお顔を見つけることができたこと、また初めて私のピアノを聴いてくださったYOSEコンサートファンと覚しきクラシック音楽愛好家の方々(帰り道にお声をかけてくださった方も!)、私にとってすべてがかけがえのないご褒美でした。

 

そして最後に、無茶ぶりをくださったミュージックステーションの伊藤直樹氏に、大感謝です!

     

 

こうして4月27日のYOSEコンサートは好評のうち無事終了し、以前からの予定通り、4月30日午前中には滋賀県の「びわ湖クラシック音楽祭」へ。第一回ショパン国際ピリオド楽器コンクール第2位のフォルテピアノ奏者川口成彦さんのコンサートを聴きました。1843年製プレイエルの柔らかい音色、朝から心地よかったです。半年ぶりくらいで川口さんのライヴが聴けて幸せでした。そして午後は京都の森田ピアノ工房で、1927年製エラールのフルコンを弾かせていただきました。こちらは現在教室に置いている1935年製ブリュートナーを購入した楽器店で、お気に入りの森田サウンドのエラールだなんて、もう至福のひとときです。

    

 

また5月6日には、掛川市のかねもホールにて、かつてバックスハウスが所蔵していたという曰くつきの1898年製ベーゼンドルファーインペリアル第一号を弾かせていただきました。

3月に初めてこのピアノを弾いた時、何かこの楽器の持っている魂に導き出されるような不思議な感覚がありました。

「きょう、また久しぶりに再会できたね。」と言いながら、ピアノを弾き出した私。最初は練習のように弾けるかな、なんて自分のエゴがちょくちょく出ていましたが、練習時間の後半には頭の中は真っ白になり、何も考えないまま勝手にこの楽器に指を持っていかれるような感触がありました。

 

このピアノは、Andras Schiffアンドラーシュ・シフ 、遠山慶子という素晴らしいピアニストたちのもとを経てこのかねもホールにやってきたそうですが、また現所有者のもとに持ち返られます。奇しくも、このホールでのこのベーゼンドルファーインペリアルの最後の弾き手となりました。

 

最後はこの楽器の管理人でもあるGala工房の高橋 恭子さんにドビュッシーの「映像第2集〜金色の魚」を聴いていただきました。いや、ベーゼン君と3人でこの曲を鑑賞しあった、と言った方がいいかもしれません。それくらい不思議な時間でした。

その繊細な音色から、水面がざわめいている様子、金色の魚が飛び跳ねている様子、金の鱗が陽の光を受けて飛び回っている様子、そんな光景が視覚となって目に見えるようでした。ドビュッシーが描いた音による絵の世界が、手に取るように、ピアノを弾きながら見えた、という初めての感覚。感極まって目頭が熱くなりました。

一緒に聴いてくださった高橋さんも顔を赤らめ、感激してくださいました。こんな素晴らしい音楽体験を提供してくれる、まるで生きもののようなこのピアノ。

 

教室の有志生徒も数名が掛川まで出かけたようで、このピアノで練習出来、大変音色が変わりました。

また再会できる日が、きっときっとありますように!

 

    

 

*この森田ピアノ工房エラールと掛川ベーゼンドルファーインペリアルでの録音は、youtube{黒田ゆか}にアップいたしました。

ぜひ聴き比べ等、お楽しみください。掲載曲目、ドビュッシー/「月の光」https://youtu.be/1esDhgPrEO8「アラベスク第1番」「金色の魚」「喜びの島」、ショパン/「ノクターン第2番」https://youtu.be/997KW15Hlxc「春」https://youtu.be/1meGfuS5mP8「24の前奏曲より第7番、第8番」ほか  

★ぜひチャンネル登録もよろしくお願いいたします!!!

 

 

5月12日は東京でした。昨年から小倉貴久子先生のもとフォルテピアノのレッスン受講を始めたのですが、4回めにしてやっとジョークが飛び交う?ようなレッスンになってきました。(安堵!)

 

そして東京滞在2日め、私にとってまさに<事件>が起こりました。

いや、新幹線チケットにクーポンがついていたので、朝から〈渋谷スカイ〉に昇り、同じ渋谷のカフェ・タカギクラヴィアでランチしよう、って思い、高木さんに聞いてみたら「カフェは休業中、ランチは出せないけどコーヒーくらいなら。」とお声がけいただき、タカギクラヴィアへ遊びに伺いました。

カフェテラスで美味しい珈琲をいただきながら、小一時間もお喋りしていたでしょうか。

不意に高木さんが「それじゃ、ピアノ見に行きましょうか?」とスタジオに入らせてくださったのです!

 

  

 

写真左からホロヴィッツが愛し、カーネギーホールで活躍した1887年製ローズウッド、CD<ホロヴィッツinロンドン>などに納められている1912年製NYスタインウェイCD75、ラフマニノフが所蔵していたというNYスタインウェイに、憧れの1843年製プレイエル。一緒に写っているのは「ホロヴィッツ・ピアノの秘密」https://webshop.yamahamusic.jp/domestic/products/detail.php?jan=9784276210592 「今のピアノでショパンは弾けない」「スタインウェイ戦争」などの著作で知られる、タカギクラヴィア社長の高木 裕さんです。

 

もうほんと、夢のような時間。・・・ホロヴィッツが東京で見つけ、こよなく愛したといわれるローズウッドは、甘い香りがする和音が溶けこむような素敵な音色、CD75で弾いた「喜びの島」では、とても軽やかな鍵盤の反応がこの曲の中にずっと現れ出る海の波の動きをとても自然に表現することができ、これまた初めての感動的な体験でした。

でもホロヴィッツピアノの倍音の見事なうねりをどこまで引き出せたか、まだまだ腕の磨き上げにはこれから可能性がいっぱいの私です。

 

この2台の奥に写っているのが、ラフマニノフが10年間自宅で使っていたという1932年製NYスタインウェイ。

私はこのピアノで思わずドビュッシーの「レントより遅く」を弾いてみました。音色を聴いているとラフマニノフとホロヴィッツが親しげに連弾している様が目に浮かぶようだねと高木さんはおっしゃっていました。

 

ショパンが生きていた時代のプレイエルについてはとても感慨深いものがありました。これは4月30日に先述の「びわ湖クラシック音楽祭」で、川口成彦さんが使ったばかりのものです。

私はこの年代のプレイエルで、いつの日かオールショパン・プログラムで演奏会をしたいという夢がありますが、2018年ワルシャワで、第一回ショパン国際ピリオド楽器コンクールのステージ上にあったプレイエルを図らずとも弾かせていただく時間が束の間あったのですが、ほとんど自在には弾けなかったその時に比べれば〔とりあえずは〕弾けるようになってきた、というくらいかな。

 

昨年から小倉貴久子先生のもとで習い始めたフォルテピアノ。プレイエルよりもっと難しいWalterワルターを使ってのレッスン受講。そこで修行を積んでいるのが少しずつ実ってきてはいるのかナ、という実感。

 

こうした巨匠たちの魂のこもった銘器を弾かせていただくと、ほんとうに向こうから楽器が教えてくれる。

 

ピアノの奥の奥は、大変深いです。

私も一生、勉強していきます。

 

 

 

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