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高木piano教室


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ショパンコンクール ピアノ選び

投稿日:2025-10-27

今回のショパンコンクールで公式ピアノに指定されたピアノは

スタインウェイ(アメリカ)・ファツィオリ(イタリア)・シゲル カワイ(日本)・ヤマハ(日本)・ベヒシュタイン(ドイツ)

5つのメーカーとなりました。

コンテスタントがそれぞれに、自分の音楽性やテクニック、レパートリーに合っているか、

僅か15分程度、本番会場で試し弾きを行い最適な1台を選ぶとの事。

各メーカーはこの世界でもっとも注目度の高いコンクールに向けてピアノの開発、

そして、本番のホールへ最高の1台、最高の調律師を送り込んで臨むとききました。

各楽器メーカーの戦いでもあり、聴衆や配信で聴いている私達1人1人に

渾身の1台のピアノの響きを届けてくれる絶好の時間でもあります。

 

私は前回2021年の大会でファツィオリのピアノを初めて聴きました。1981年創業で、ショパンコンクールでは、

2010年から公式ピアノとして参加しているメーカーです。

前回と同様今回も優勝者エリック・ルーと、4位入賞者がファツィオリを使用。ファイナルのピアノ協奏曲第2番とこのピアノの特性が見事にマッチングしていて、

音が1音1音キラキラとしたと表現するのが1番しっくりくる音色。とにかく澄んだ音色と言ったらいいのか。今回1番好きだったピアノです。

 

次は3位、5位入賞者が使用したシゲル・カワイ。何といっても日本のピアノメーカーが2人の入賞者に選ばれている事が単純に嬉しい!

シゲル・カワイは音色が柔らかく深い。これが曲とホールとマッチングした時など素晴らしい演奏になる。

実家にシゲル・カワイのピアノがあって、帰省して弾くと自宅で弾いているヤマハと音色が違ってビックリするのが常ですが。

でもあの柔らかい音色は憧れ。いつか東京に運べたらいいなあ(笑)

 

そして王道スタインウェイは2位、4位、6位入賞者が使用。

やっぱりスタインウェイの演奏が1番しっくりくる!

演奏会で聴きなれたピアノだからか。ピアノの音がホールに響きわたる音量と音色、小さな音も大きな音も弾き手のテクニックに反応する

感度が素晴らしいと改めて感じました。子供のピアノ発表会でもスタインウェイを使用するとやっぱり違います。

 

5年後のショパンコンクールでは、どんなピアノの選択があるのか?

もう1つの楽しみでもあります。

 

 

 

 

 

 

ショパン国際ピアノコンクール 2025

投稿日:2025-10-27

5年に1度 ポーランドで開催されるショパンコンクールが終わりました。

今や予選から本選までの配信があり、リアルタイムでコンテスタントの演奏が聴くことが出来るなんて!

なんて幸せな時代になったのかと、感慨深いものがありました。

 

遡ること、1985年 第11回大会は特に記憶に刻まれた大会です。

当時16歳。音楽の道へ進学したいと東京までレッスンに通い始めた時期でもあり、

音大受験の課題曲にショパンのワルツがあり、ショパンの演奏の難しさに苦戦し、

今まで発表会などでは楽しく弾いていたショパンの曲に、初めて真剣に対峙し出した時期でもありました。

本選の演奏がNHKで放送されたものを、ビデオテープに録画をして、

それこそテープが擦り切れるくらい巻き戻しては聴いて、、を繰り返し、

どうしたらこんなに素敵な演奏が出来る様になるんだろう!と画面の中のブーニンや小山実稚恵さんに憧れ、

今でいう推し活のような、演奏会情報を探したり、雑誌を買ったり、テレビ出演を録画したり、、を思い出しながら

今回のショパンコンクールを観ていました。

 

総じて出演者レベルが高く、テクニック、音色、解釈など若いのに成熟していて、

綺麗でいてダイナミックな、完成度の高い演奏を沢山聴くことが出来た大会でした。

日本人入賞者桑原詩織さんの第3次予選の演奏が素晴らしく、印象に残っています。他にも素晴らしい演奏が沢山あり書ききれませんが。

そしてそして、今回5位に入賞したマレーシア出身のヴィンセント・オングさん,24歳。

なんと私たち家族が2008年から2013年まで駐在生活をしていたペナン島出身のピアニスト!

マラッカ海峡に囲まれたあの小さな島でこんな素敵なピアニストが生れたなんて、、。

オングさんの第2次予選のマズルカや、第3次予選の舟歌など、音色がとにかく綺麗でオングさん独特の旋律の流れがあり、

独特な間や解釈があり、ペナン島から毎日見ていた海の景色がオーバーラップして、泣きそうになるほど感動した演奏でした。

今の詳しい状況は分からないですが、あの当時のペナン島には海外や国内からの演奏者を招聘出来る音楽ホールが無く、子供達のピアノ発表会も

先生のご自宅開催だったり、プロのオーケストラやピアノの演奏がどうしても聞きたくてクアラルンプールまで聴きにいったり、、の音楽環境でした。

そんなペナン島出身のオングさんの今後の成長が楽しみです。そして応援し続けていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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