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向山敦子ピアノ教室


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フィグーラ

投稿日:2016-03-24

ひき続き音程のことで・・

4度跳躍で主音にいたる場合、あいだにある音の軌跡は

どうなるだろうかと考えた。

メジャーのときは、テトラコード(全全半)になるが、

マイナーのときは、旋律的短音階で考えれば、長調と

同じだけど、私の場合、自然的短音階を思い浮かべる

かもしれない、と思ったのだ。

下行跳躍のときの音の軌跡は、長調と短調では絶対

違ってくるはずだ。 こうしていろいろ考え、突き詰めていくと

やはり、音そのものや旋律の持っている性質に関係していると

思えてくる。

「音楽修辞学」

修辞学とは古代ギリシャにまでさかのぼる学問で、説得するための

技法のことである。1400年頃から、音楽家は修辞学を修めていて

それを音楽に取り入れるようになっていた。

効果的な言い方や手振りなどをフィグーラと呼んでいたが

音楽においても内容をよく伝えるために特別な方法(フィグーラ)が

用いられるようになっていく。まず、詩の言葉の意味にあうように

フィグーラが生み出され作曲され、その後、器楽曲にも使われた。

1550年〜1850年頃が全盛で、まさにバッハの時代である。


音楽的なフィグーラは、たとえば・・

上行進行は意志、希望、成長などのエネルギーを持ち

下行進行は絶望、消滅などの感覚を持つ。

音階ひとつひとつの音には、こんな性格が・・

T:支配的 U:悲しみ V:哀願的 W:荘厳で崇高

X:支配的 Y:悲しみ Z:哀願的 [:統一

う〜ん、なるほど・・・。

半音階はすごく恐い感覚だったらしい。

恐怖・憎悪・苦しみ・悲しみ・・

不協和音程の跳躍はさらにすごい!!

悪徳・悪魔・地獄・暗黒・・などのフィグーラだったのだ。

増4度(減5度)は「悪魔の音程」と呼ばれて

非常によろしくない音程だったのだ。減7度も・・

しかし後々、音楽修辞学は衰退していくことになる。


大学時代の授業で、バッハのフーガの楽譜には十字架が

置かれているのだと習った。(音と音を結んだ線が十字になる)

そのほかにもバッハはたくさんのフィグーラを楽譜に忍ばせていた。

しかし、キリスト教信仰者としてのバッハの音楽に 1960年代から

もっと人間的にバッハを研究し演奏しようという波が訪れる。 が

やはりバッハを弾くときにはこの音楽修辞学を少し知っておく必要が

あるのだろうと思う。

バルトーク校訂の平均律を愛用しているが、キリスト教信仰者としての

バッハを崇める人には、ロマン的すぎてけしからん!!となるのだろうなぁ。

 

さて長くなりましたが、結局4度音程はどうなったのか?

長調の曲において使われる4度跳躍(上行)は、

天使たちによる神への導きを想像させて、

短調においては、たくさんの困難に打ち勝ち、

神へ近づこうとするエネルギーを表現しているということになるのかなぁ・・


何故この強いエネルギーを感じるかはいまだわからず・・・









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