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多摩ピアノの森


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塩梅

投稿日:2022-09-19

夏の臨古書道展において、かな条幅の部で準推薦賞をいただきました。

重行集より夏の和歌を臨書しました。重文指定「重行集」は

徳川美術館所蔵なのですが、問い合わせたところ、

しばらく展示の予定がないとのことでした。しかし学芸員さんより、

5月に富山県の秋水美術館に出展予定があると教えていただき、

富山出張の折に本物を観てくることができたのです。

繊細な美しさにしばらく見とれていました。臨書は、文字通り

古筆に臨んでそれより、まねび(学ぶの語源)、書きます。

臨書には、形臨、意臨、背臨の3段階がありますが、

まずは細部までよく観察して形を真似て書く。次に

書いた人物の心や内容を考え、最後は手本を見ないで書く

背臨へとすすむ。

今はどこの段階だとは考えずに何度も書いているうちに

自然にすすんでいくように思います。しかし

見ないで書いているといつのまにか自分勝手になっていて

これはいかんいかん・・とあわてることになります。

臨書の面白いところは、同じ手本を題材にしていても

皆それぞれ違う作品になっていることにあります。殊更

個性を出そうと思わなくてもみな違います。

とても激しく厳しさが表れているものもあれば、どことなく

柔らかく寄り添ってくれる書もあります。自然とその書き手の

気質が表れるのだと思います。古筆から何を感じ取り、学び

共感し、表現したいのか。本当にひとそれぞれ塩梅が違うので、

興味深いものがあります。音楽も本質は同じです。

作曲家は、自分の閃きと熟考した音を楽譜にとどめ、

奏者は、原典版であればみな同じものを見て演奏する。

最初に「P」と書いてあっても、どのように弾きだすかは

全員ちがう。リズムも然り。

長い年月愛されてきた古典を学ぶ大切さがよくわかります。

臨書も同じです。そしていつか遠い日に、自分の音楽

自分の書となっていくのでしょうか。遠いなぁ〜。

 



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