レッスン楽器


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向山敦子ピアノ教室


ブログ

うたう気持ち

投稿日:2014-06-27

今、ソルフェージュクラスが練習している歌は、

木下牧子さんの「ほんとにきれい」と

「五匹のこぶたのチャールストン」です。

「ほんとにきれい」は、

即興的にうたわれたような、感嘆詞を伴う歌。

あぁ〜ほんとにき〜れい〜♪

さくらもメロディーもほんとにきれいです。

さて歌いたい気持ちって誰でもがもっているものでしょうか?私は

100%とは言えないけどほぼすべての人が持っていると思います。

人間の本能だと思う。ピアノの演奏のように歌詞のないときには・・・?

歌うときにはとっても楽しそうに抑揚をつけて気持ち良く歌う子どもが

ひとたびピアノの前に座るとふにゃ〜と何も感じないが如く、

ただ弾くだけの一辺倒になってしまう。これはなかなか難しい問題だ。

感じてといってもメロディーの流れだけではなかなか感動に結びつかないのだ。

それでレッスンは、私のかぼそい声で歌いながらとなる。レッスン後は、こえがらがらがら・・

以前ピレシュの公開レッスンを観た。日本人のピアニストであった。ピレシュは

さかんに、ここのところはどう思う?何を感じる?と質問する。 そのピアニストは

「ここは、再現部なので〜とか和声の動きがどうこうとか」答えるのだが、ピレシュは

だからどう弾きたいわけ???どう感じるわけ??とたたみかける。

心が感動していないのだ。私もあんまり感動的じゃないなぁと思った。

バッハの音楽においても、喜びや神への畏敬の念や寂寞感などを感じ取ることができると

思う。ましてやロマン派の音楽は如何や!  あれ私は何時代の人だ・・?

これは複雑な要因があると思う。もって生まれた才能もあるだろうし、育った環境が

美しい音楽に溢れていたかどうかなどにもよるだろう。 

曲の解釈(アナリーゼや時代背景へのアプローチなど)はとても大切で

必要な勉強だが、果たして、そしてどう弾きたいのか??なんだなぁ。

 

 

 

 

コンサート

投稿日:2014-04-20

2月3月4月と毎月具合が悪くなってしまった。

原因は自覚しているので以後注意をしていこうと思う。

年のせいもあり、免疫力が低下しているので運動や栄養

睡眠を以前より充分にとらねばいけない。ふ〜・・・。

さてシフの演奏会だが、それはそれは素晴らしかったです。

バロックでもロマン派でもシフの手にかかると美しさの極致に高められる。

その芸術的な美の感覚は、嗜好性や共感性はもちろんあるだろうが、

シフのその感覚は人並みはずれて、というか全地球人の中で極めて

一握りのピアノ音楽の最高な美的感覚の持ち主なのだと思う。

もーう最大級の賛辞を贈りたい。

アンコールにメンデルスゾーンの無言歌がいくつか弾かれたが、

例えばみつばちの結婚とよばれる 「つむぎ歌」 

恐ろしく速いスピードでヴィルトオーゾの弾き手のアンコールによく弾かれるが、

シフのつむぎ歌は全然違ってビロードのような柔らかい布をふわっとかけて

くれたような音のバランスの妙味、しかも切れ味のよさが相まって、

誰にもまねのできない立体感覚が絶妙!!まさに天才のなせる技であった。

 

サントリーで聴いたナタリー・デセイも最高!!特別な声の持ち主であることが

再確認できました。その芸術性の高い演奏は我々のためにはもったいないような?

って、変な言い方だけど感じてしまった。リートを聴くとたびたびそんな感覚にとらわれる。

こちらのお楽しみだけで聴くにはあまりにももったいない・・と。

生涯、勉強と鍛練を続けて少しずつでも音楽力・人間力をあげていきたいものです。

相棒のピアニスト、フィリップ・カサールのフランス音楽とそのタッチもまた

比類なき美しいものだった。フランス歌曲への愛情にあふれていた。

 

 

 

 

マリヤ・グリンベルク

投稿日:2014-03-15

随分と昔になるが、ふと山野楽器店である女性の

ベートーヴェンソナタ全集をセールのかごで見つけて購入した。

しばらくそのまま聴かずにいたのだが、受験生がベートーヴェンを

弾く時に、いろいろ参考に聴いてみようと思い、このCDを開けた。

これはいいぞ!え?ほんとに・・すごいなあ。と感激したことを

覚えている。マリヤ・グリンベルクは1908年生まれのロシアの

ピアニストで、ソ連時代にユダヤ人敵視のために弾圧を受けた。

夫と父親を人民の敵とされ処刑。マリヤ自身も思うように演奏活動は

できなかった。その後再び注目されモスクワや海外でも活躍した。

60歳を超えた1970年にこのベートーヴェンは録音されて、

「ソ連のピアニストによる最初のベートーヴェンのピアノソナタ全集」

として売り出されたらしい。

感情にながされたり、感覚的ではなく、非常に理知的に音楽を構築して

いる。しかしその情熱は熱くこちらに訴えかけてくるものだ。

グリンベルクの交響的練習曲が秀逸!ポリフォニーの流れの美しさ

は、女性とは思えない。・・・と女性を差別するようだが

女流ピアニストのポリフォニーの扱いが極致的に美しい場合は少ない。

グリンベルクは、シューマンの交響的練習曲の最後からひとつ前の曲

私が大好きなのだが・・その立体感や音色の違いをあますところなく表現している。

ほんとにすばらしい!!

今月19日にシフの演奏会がありいつも聴いているバッハではなく、ロマン派の

メンデルスゾーンとシューマンを聴くことができる。とても楽しみだ。

厳格な変奏曲、そして交響的練習曲。大曲が並ぶ。

もう楽しみ過ぎてどうかなりそう。

 

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