生徒さんが執筆してくれている物語に登場する「げんこつぱん」は実在するパンです。子どもの両手でげんこつをつくったくらいの大きさで小麦の甘さを感じるごくごくシンプルで素朴な味わいのパン。私の自宅からもその生徒さんの自宅からもほど近い？ドイツパン屋さんです。少なくとも30年以上前からある小さなお店です。「ねぇひょっとして？げんこつパンは」と先日生徒さん親子に確認して判明しました。あぁやっぱり！同じものを美味しいと感じていた共通点に嬉しくなりました。レッスンの合間に子ども達はいろんな話をしてくれます。お家で飼っている猫ちゃんがダイエットを始めた話、おでこを６針縫ってその間禁止されていた一輪車の練習をようやく再開できて楽しいこと、小学2年生なのにもう中学生内容の公文をやっていること、学校の給食時間は無言で食べて、意見を言い合うシーンのために中学入学後すぐにフェイスガードが配られ個人で管理することなどなど。レッスンだけでなくお話も含めて子ども達の全てが愛おしく感じます。

さあ今日の夜ご飯はピザ、ジュース、げんこつパン、サラダ、アスパラのベーコン巻き、すずちゃんアスパラのベーコン巻き大好きだから。それと僕も好き。お手軽だし、だから30本も作っちゃった〜、多すぎだよね〜アスパラのほとんどは、あのなまけもののおじいさんがくれたものだったのだ。げんこつパンも大好きだ。すずちゃんはげんこつパンの、外が固いから食べれない、だから外側は僕が食べる。すずちゃんはげんこつパンの中身が大好きなんだよ。僕と同じ！

えっ、も、もしかしてこの人、こ、この前の、な、なまけもののおじいさん？「どーしたんだ〜い」「あ、いえ、はい、あなたあのときのおじいさん？」「そうだよ」「へー宅急便さんだったんですか。ちょっと驚いちゃいました〜」「そうかい、そうかい。あはははは〜、あ、それとサインくれますか？」「あ、はいもちろん。」うー、あいかわらず気持ち悪い声っ、でもこの前よりはましか〜。「お〜い」「あっ、す、すみません、ついぼーっとsちゃって。」「いやいやいいんだよ〜、僕、子どもと遊ぶのが大好きでさ〜、でもこの森、子どもがいなくなってさ〜、だからちょうどよかったんだよ。あ、それと君はぼーっとするのが多そうだね。僕と似てるよ、友達になってくれないか、そっちの家も探検したいし〜、そっちの方が楽しそうだったり広かったりしたら、そっちで遊んでもいいかい。」「あっはい、いいですよ」「あ、それと面白いおもちゃ持ってきたりするかもしれないから気に入ったらもらっていいよっ、しかもお金はいらないよ。」「えっいいんですか？こっち全然おもちゃ持ってなくって〜」「おーそれはちょうどいい、いっぱいあげるよ。」「はいありがとうございます。」「あっ配達がまだ残ってるみたい、行ってくるよ、じゃあね。」「さようなら」お、なんか急に雰囲気が変わったぞ、なんか今日、わくわく。「お、来たぞ、おーいすずチャーン、届いたよ！」「ちゅん」イエイッって言ってるよ。