ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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ブログ
梅雨入り
投稿日:2021-05-21
今年は、早い早い梅雨入り。
私の住む東海地方も、今週梅雨入りをしました。湿度の高い日が続いています。
こんな時、教室の除湿機はフル回転。
今年に入って教室に入れた新しいピアノ、ブリュートナーと同時に購入した加湿器は、あまり使わずじまいのうちの梅雨入り。
そう思いっきり五月晴れを楽しむという日が続かないまま、雨のシーズンを迎えましたね。
名古屋では緊急事態宣言が出ましたが、学校は平常通り。ピアノ教室の方も平常通りにさせて頂いております。
生徒さん達には教室に入るとすぐに手を洗ってもらい、こちらの教室では2台のグランドピアノを使ってレッスンをしていますので、生徒さんはYAMAHA S6、私がブリュートナーを使って、ちょうど対面でレッスンをしています。
指の練習、基礎練習の時間は私が生徒さんのピアノのそばに座って見守りますが、曲に入ると私も自分の譜面台に楽譜を開き、指示を出します。
私は生徒が出す音色があまりよくない時、どのような指の構えで、あるいは手首を使わないままに、また腕を固めたままで弾いているか、フィンガリングがよくないのではないか、姿勢が傾いていないかなど、全部音で分かりますが、生徒さん達には私が弾いているところを「こっちに見に来て〜。」と言っては私のピアノの方まで歩いてきてもらったりします。
ブリュートナーは前のピアノにも増して繊細な表現が伝わるので、生徒たちの耳も格段と成長してきました。
そして、それは私自身も!
私はこの春以来、いろいろな所でフォルテピアノを試弾させていただく機会を持ち、成長しています。
フォルテピアノ(18世紀〜19世紀前半の様式のピアノ)を弾くこと自体はそう簡単でもない、と言うか、フォルテピアノはピアノという名前はついているものの、現代のピアノとは楽器が違うと言ってもいいほどのものです。
ですけれども、ピリオド楽器でその時代の作品を弾くととても弾きやすく、楽しいです。作品の奥義が見えてきます。
そしてその違いを自宅に持ち帰り、1935年製のブリュートナーに生かし、生かされ、生徒達にも伝授しています。
私が長い時間をかけて習得したことを、2、3回のレッスンでさぁ〜っと手の内にしてしまう生徒もいたりします。^^;汗〜
先日、地元密着紙の母の日特集でインタビューを受けました。
教室内の写真も掲載されましたので、イベント欄とともに紹介いたします。
ひき続き感染対策には予断を許さず、しかしますます前向きに、素敵な音楽とともにある喜びを胸に、がんばっていきたいと思います。
皆さまも、健康にはくれぐれも気をつけてお過ごしください。
川口成彦フォルテピアノリサイタル&中日ピアノグレードテスト審査を終えて
投稿日:2021-04-03
一気に桜が開花し、穏やかな春ですね。
3月27日は碧南エメラルドホールでの「川口成彦フォルテピアノリサイタル」に出かけました。
1800年代のフォルテピアノであるワルター、グレーバーとホール所有のスタインウェイを使っての贅沢な音空間。
ショパン「ドン・ジョヴァンニのお手をどうぞのテーマに基づく変奏曲」は、ショパン17才の作でウィーンデビューに演奏したという曲。あまりの作曲の素晴らしさにシューマンが脱帽したという逸話は聞いてはいたけれど、実際の演奏を聴いたのは今回が初めて。超絶技巧の難曲、こうしてフォルテピアノで聴けたのは最高に嬉しかったです。シューベルトの「4つの即興曲」も奥行きがあって、時空の広がりを共有できる素晴らしい演奏でした。
会場では建設中の菰野楽器博物館の理事長、関係者の方々にもお会いし、いろいろお話することができました。
そして翌日曜日は、宗次ホールの「川口成彦リサイタル」へ。奇しくも会場では川口成彦さんのCD制作にも関わったという東京からご来場の録音エンジニアのH氏にお会いすることができ、ランチをご一緒しました。氏はオランダ在住でフォルテピアノに精通していらっしゃっていて、私のお気に入りのCD、川口成彦:ショパン「夜想曲&小品集〜1842年製プレイエルで聴く〜」Acoustic Reviveの録音技師でもあり、なかなか情報の少ないフォルテピアノのいいCDを教えていただいたり、なんだかたっくさんお喋りしました。
川口成彦さんの演奏を聴いているといろいろと音楽について考える時間をいただき、新鮮な気もちになりました。
そして4月に入り、1日におこなわれた中日ピアノグレードテスト名古屋審査会ではコロナ感染防止万全対策のもと、出演者誘導のお手伝い。長谷川淳先生、廣瀬恵子先生、伊藤仁美先生、中岡秀彦先生他2年ぶりにお目にかかり、ランチのあと皆さまとの楽しい歓談のひとときをいただきました。
翌2日の高山審査会では48名の審査、講評書きをさせていただきました。
昨年はコロナで開催成らずでしたが、まだまだ世界中でコロナ禍の大変な状況が続くなか、こうしてピアノ学習に励む方たちの演奏を耳にし、皆さまが元気でピアノ学習に励んでおられる姿を見ることができ、嬉しく思いました。
当日の私の総評から、抜粋して記します。
「世の中がすこし不安な状況にあるとき、日常生活でもこれまでとはちょっと違った場面に日々遭遇することになりがちです。そんななか落ちついた気持ちでいるということが難しくなるかもしれませんが、そういう時にこそ、どうぞtempoを守って弾くということを心がけてください。楽譜をめくると、ト音記号のすぐ隣に拍子記号があります。2拍子系のものなのか3拍子系のものか、また4分の何々になっているか、8分の何々になっているか、ここにまず大きな違いがあります。3/4拍子と3/8拍子の違いは軽やかさです。8分の何々の拍子記号が付いている曲は、軽快な雰囲気を読み取ることが求められます。そしてタンタンタンと1拍ずつ小刻みに叩くのではなく、1小節単位に、例えば3拍子なら123と3拍分をかけて右から左へ手を動かしてみてください。そしてまたそこから123と言って右側に戻ってきます。こうした大きな波を感じることが大切です。グルーヴ感をつかんでくださいね。そしてこの大きな波の中に、3拍子なり4拍子なりの拍を能動的に感じ取ることこそがtempo能力です。この大きな波があってこその拍子であり、またその拍の中の細かいリズム、というわけです。この波を捉えて演奏できている参加者の方は大変すくなかったと思います。気もちが不安定になりやすい、こんな時だからこそ、きちんとした音楽上の時間配分を守って演奏を心がけてください。そうしてまた、音楽の本当の力を掴むことができることでしょう。」
このことは、このブログをお読みいただいているピアノ学習者、ピアノ愛好家の方々にも通じるかと思います。
あたたかな陽気になり、ピアノに触れる時間も増えているのではないでしょうか。
素敵なピアノライフをお過ごしくださいね。
ドイツ製ピアノ、ブリュートナー搬入
投稿日:2021-03-18
桜が開き出しましたね。
皆さま、お元気でしょうか。
新学期を来月に控え、いろいろな新しいことにも気もちを新たにされていることでしょう。
私のピアノ教室にも新しい出来事がありました。
1935年製のドイツピアノBlüthner ブリュートナー Model.10を搬入しました。
奥深い低音の響き、高音部の透明感あるきらびやかな音色に、ほとんど一目惚れ状態で魅了されました。高音部が4本弦構造のアリコートピアノ。高音側の3オクターブの個々の音に、4本めの弦がついています。この弦は他の3本の弦よりもわずかにに高い位置にありハンマーで打たれることはありませんが、ハンマーが従来の3本の弦を叩くとき常にアリコート弦が共鳴して振動します。こうしてアリコート張弦は楽器全体にわたって振動エネルギーを拡大し、とても深淵な色鮮かな音色を作り出すのです。そしてまたこの1935年という製作年代、第2次大戦前のヨーロッパ木材は品質がよいのか、もっともっと大きなグランドを弾いているかのような深い響きに包み込まれます。搬入されて時間単位で、刻々と響きぐあいが充実されてきています。まるで生きもののよう。搬入後一番乗りの生徒に1曲披露したところ、「芯がしっかりありつつ、周りは柔らかなフェルトに包まれているかのようです。言ってみれば、古酒のような味わいある音色。」だそうです。
生徒たちにとってもこの音色は素直に耳を惹き付けられるとみえて、「ここはこうだよね。」と弾き示すと、反応が以前より格段によくなりました。私もこのピアノでは(音楽上の)言いたいことが素直に表現できる、という感じです。
私がこういったヴィンテージピアノに関心を持ったのは、ここ数年のフォルテピアノ体験が大きいと思います。
私がフォルテピアノに巡り合ったのは、遠い記憶では浜松の楽器博物館で見たもの、そこで買った CD でいろんな楽器の音の違いを聴いたもの、そして2014年秋に埼玉のN氏のちいさなピアノ博物館で色々な楽器を弾かせていただいたこと。・・・それらはとても楽しく面白い体験としてありましたが、フォルテピアノの真髄に触れたのはなんと言っても2018年9月のワルシャワでの「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」の第1次予選終盤からガラコンサートまで全てを聴いた経験でした。さまざまな奏者が、目の前で楽器を取っ替え引っ替え弾くのを一日中聴き続け、モダンピアニストが単に楽器を変えフォルテピアノを弾いているといった演奏もありましたが、フォルテピアノをしっかり勉強された方たちの演奏というのは明らかに説得力に違いがあり、あぁ何かモダンピアノとは違う世界があるんだなぁという感じでした。
2019年8月にはワルシャワを再訪し、「ショパンと彼のヨーロッパ音楽祭」で15公演を聴きました。この年はピリオド楽器コンクールの翌年ということもあり、モダンピアノに加えピリオド楽器を使ったコンサートもたくさんありました。コンクールで1位になったトマシュ・リッテル、2位の川口成彦さんの演奏もありましたが、私はこのお2人の名前を知っているくらいで、他の人達は名前を見てもどう発音するかもわからないくらいフォルテピアノには疎い〈モダンピアノ頭〉でした。中でもトビアス・コッホとヤノシュ・オレイチャクの2台エラールによるデュオリサイタルは、この世のものとは思えないほど素晴らしいものでした。この音楽祭ではヤブロンスキ、アヴデーエワ、カツァリスといったモダンピアノの素晴らしい演奏会もたくさんありましたが、私はこの辺りからフォルテピアノ演奏家たちの魅力に誘われてきたように思います。
また私自身も、2018年のピリオド楽器コンクールの会場でたまたま隣に座っていたブロードウッドの調律師さんとの話の弾みから「3台の楽器を弾いてみてもいいよ。」ということになり、第2次予選の日でしたが、全員の演奏終了後ステージ上に並んだエラール、プレイエル、ブロードウッドを弾かせていただく、というまたとない経験をしました。私はその数分の間に、「モダンピアノは何とごまかしと利く楽器だろう。」と痛感したものです。その後機会があるごとにいろいろな工房を訪ねるようになり、フォルテピアノやピリオド楽器を弾く機会をいただきました。
購入したブリュートナーを弾き込んでいくうち、わかったことがありました。時々チェンバロっぽい音を聴かせたかと思うと、Pleyelプレイエルにとっても似た音色に驚かされるんです。プレイエルのなかでも、1830年、40年代製作のピリオド楽器であるPleyel、…といっても1台1台また修復家によって音色が微妙に違うと思いますが、川口成彦さんのCD「ショパン/夜想曲&小品集」を通してわかったことには、エドウィン・ベウンク修復のプレイエルの音色がしてきたことがわかりました。それは先述のワルシャワでのショパン国際ピリオド楽器コンクールで使われた、そう、あのステージに並んでいたプレイエルなんです。人間の脳裏に刻まれた記憶というのは、計り知れない力がありますね。このBlüthnerで練習していると、ほんの僅か微妙にむだな手の動きがフォーカスされ、これまで何年か分の練習が一気にこなせているという感じです。「フォルテピアノをつかの間触わった経験が真のピアノ奏法を導いてくれる!」・・・こうしたことは、日本でもこれからの意欲あるピアノ学習者が知るべき方向として、広く認識されるべきかと思います。
また何と言っても、このブリュートナーを使って練習できる幸せ、レッスンできる幸せ、測り知れません。
いい楽器はなんにもよそ行きなことをしなくても「楽器が教えてくれる」・・・、私は媒介者となってそれを生徒たちに伝えている、という感じです。
生徒たちの感性が広がり、いっそう音楽への情熱にいざなわれてゆくことでしょう。
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