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ピアノ教室コンセール・イグレック♪


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音楽の贈り物

投稿日:2019-02-06

2月1日、宗次ホールへ「パトリック・ガロワ・フルートリサイタル」を聴きに出かけました。

 2016年に名フィル首席オーボエ奏者山本直人さんと、翌17年に東京室内管弦楽団首席バイオリニスト水村浩司さんと演奏したドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」がプログラムにあったのと、もちろん1990年にフランス・プラドでおこなわれたパブロ・カザルス国際音楽アカデミーでガロワ氏のクラスを聴講した思い出があったからです。

 

その年は名古屋市新進芸術家海外研修生として渡仏。ニース国際音楽アカデミーでのパスカル・ロジェ氏のクラスを終えた後、ピレネー山脈に程近い片田舎のプラド村に出かけました。そこでは各専攻の他、アンサンブルも履修することが出来、学生たちと弦楽トリオを組んでレッスンを受講したほか、オーボエ科教授のアンドレ・マルタン氏に入ってもらって、プーランクの管楽トリオを一緒に練習できた思い出など、今から思うと凄すぎる思い出が詰まっています。

昼食を取りに学食に行くと、当時からフルート界のスター、パトリック・ガロワが小さな子どもたちを連れて幼稚園の先生さながら優しそうなパパの姿を見せていたり、講習期間のあまりの忙しさに午後うたた寝をしていると背後からすっごい演奏が聴こえてきて、何かと思って目が覚めると皆呆然と聴き入っていて、しばらくしてジャン=ジャック・カントロフ率いるクインテットが翌日のコンサートのために練習していたとわかった!とか、そういった夢のようなことが日常茶飯のように起こるのでした。

そんな中、私はカントロフのヴァイオリン・クラスやガロワのフルート・クラスなど、専攻以外のものにも聴講に出かけました。ガロワのクラスはほんとうに面白く、レッスンはそっちのけ、脱線してはジョークを交わしながらの音楽談義と化します。感性で感じるものをいかに分析し確かなものとするか、そうして考察に考察を重ねることによって、最終的には自然のもの、風の音、陽のきらめき、木々のせせらぎ、鳥のさえずりなど、そうした自然のもの、宇宙の一部に自分の音楽を還元、昇華させてゆくことが音楽家の務め、芸術の極みだというようなことを学んだ気がします。


       (左2人が28年前の私とガロワ氏。)


ガロワの演奏を30年ぶり位に聴いて、後半込み上げてくるものがありました。

とても長くて深い考察の年月を感じさせる、渋みある演奏。音楽の贈り物を手にした気分でした。何の衒いもなく、泰然としていて、何気なくふっとそこに或るガロワの音。若かりし頃とはまた違う魅力に、いろいろなことを思うひとときでした。とても懐かしかったです。Merci, monsieur!

 

 

そうして私の音楽も当時から30年弱の年月が経っていることを想いました。当時はどう演奏するかということに一所懸命でしたが、今ではすぐに何を思わなくても自分の音楽が立ち上がります。教えることについてはもう40年にもなり、ふと生徒がやってきても頭を切換え、レッスンに入ることは容易いことですし、生徒がなにを努力してクリアしているか、また次に意識が足りていないことは何か、それにはどういったことを伝えればよいのか、すぐに分かります。それでもいつも何を一番に伝えるべきか、どうすれば段階的に教えられるだろうか等と、いろいろと迷い、考えることが多かったように思います。もうそろそろ在るがままの自分とともに、思うままに音楽と向きあってもよい年齢になったのではないか、そんなことを思っていたところでした。

 

 

先の週末は姉妹でコンクール参加の生徒に、室内楽ステップに参加生徒が3人。「ヤマハピアノフェスティバル2019第一楽器大会」では、小4生徒が見事B部門で金賞を受賞、次に続く「ヤマハジュニアピアノコンクール」に選定進出されました。今回の金賞は数ある参加者の中からの1名。どんな大会でも、やはり1番は素晴らしい。おめでとう!小6生徒はC部門で、惜しくも奨励賞。ステップに参加の生徒さんは、それぞれチェロやトリオを素敵に演奏できたよう。思い出すだけで高揚した、とても嬉しそうな顔に触れると私も嬉しくなります。それぞれに反省もあることと思いますが、これからもがんばっていきましょう。

 

私はほんとうによき時代に、飛びっきりのよき師に恵まれて、よき環境で思いっきり勉強できたので、そのおかげで今の自分の音楽観があり、演奏技術があり、私の音楽の礎となっています。芸術をめざし、崇高な雰囲気があるかもしれませんが、そこを目指し、音楽の本質を問う学びを積んできたことによる強さはあるのだろうと思います。その精神に魅力を感じ、慕ってきてくれている現在の生徒たちは、たとえ手がかかっても愛らしいものです。

 

最近では小学校の低学年までにコンクールで成果が上がると、以降伸び悩み、基礎から学びたいと我が門が叩かれるのですが、基礎力の充実化を図り、補充していくと、これまでちやほやされてきたことでそういった我慢の状況につぶされて、せっかく持っている素晴らしい素質を親御さんともども自ら手放してしまうというケースが多いようです。やはり基礎力を照らし合わせながら前に進もうということは師弟ともどもたいへん忍耐のいる仕事です。年齢にもよりますが、レッスンで伝えていることがスルスルと入っていくには、他の先生のところで学んだ年月の最低でも半分〜1/3は要りますね。必ず上手くなる、必ず音楽をよりわかるようになる、そういった信念をもつ生徒たちを、私は大切に育ててゆきたいと思います。

 

今年も素敵な生徒さんたちとのたくさんの出会い、・・・新しい生徒さんはもちろん、現在通っている生徒たちの新たに進歩する姿との出会いの両方を、楽しみにしています。


        (パトリック・ガロワ氏と。)

 

  

京都紅葉狩り

投稿日:2018-11-28

 10月21日に「中日ピアノグレードテスト」記念演奏会兼コンクールが岐阜じゅうろくプラザで開催され、審査に出かけてきました。今年は80名の参加者のピアノ演奏を聴き、12名の受賞者を選出しました。最優秀賞は大学生でしたが、受賞者にはたくさんの小学生もいて、瑞々しく素晴らしい音楽魂のこもった演奏でした。

  

11月に入り、3年に一度開催の「浜松国際ピアノコンクール」が2週間ほどにわたって開催されましたが、第3次予選の一部を聴きに出かけました。私の聴いた4名のコンテスタントたち、皆素晴らしい集中力と自分との葛藤を超える精神力で素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくれました。その後もネット配信でファイナル、受賞者コンサートなど聴きましたが、ホールの響き具合など予想をつけながら聴くことができ、いちど足を運んだ甲斐がありました。いろいろなことを考えるよい機会になりました。

  

先週末には先だって出かけた「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」のドキュメンタリー番組「ショパン・時の旅人たち」がBS-1で放映され第2位入賞を果たした川口成彦氏他ピアノフォルテに駆けるコンテスタントたちの思いへとともに旅の思い出にひたりました。ワルシャワ滞在中はピアノフォルテの音を聴き続けた10日間ほどでしたが、繊細な音づくり、モダンピアノでは忘れがちな打鍵へのより細かな配慮、打鍵から離鍵への発想など、その後のピアノ演奏の変化に繋がるたくさんのヒントを得ました。

これらはレッスンでもすぐに取りいれて、生徒たちに伝えています。音色に敏感な生徒さんたちの音色は、見る見るうちに変わってきました。

こないだたまたま数人のピアノの先生方から、世の中未だにハイフィンガーを教えている先生方がいらっしゃるというのを聞きまして、ほんとうにびっくりしました。指を一本ずつ高く上げて鍵盤に力強く振り下ろす!それはまさに「猫でも弾ける」タッチということです。Youtubeでワンちゃんが上手にキーボードを奏でているのを見たことがありますが。・・・耳のよさはワンちゃんも負けないかもしれませんが、人は犬や猫とは違います。ものをつかむことが出来るんです。ピアノタッチの基本は、このものをつかむ動作に限ります。これは私の極意です。それはモダン楽器の礎であるピリオド楽器(ピアノフォルテ)の奏法からも合点がいくことでした。

 

そんななか先週末、京都での紅葉狩りの写真です。

 

 

美しい紅葉の数々にこころがすっきりして、12/23に開催する「黒田ゆかX'masコンサート2018」に向けて楽しく集中した日々です。

ご案内は、 http://www.musicliaison.com/concert-y/event_detail/s/620/ をクリック!

当日はバッハ、モーツァルト、ショパン、そしてドビュッシー作品からお気に入りの5曲を、演奏合間にはワルシャワ訪問のとっておきのお土産が当たるトーク付きのクイズコーナーもあります。ピアノのお好きな方、ぜひお気軽にお出かけください。


Blog 8/28

投稿日:2017-08-28

きょうは宗次ホールでの「スイーツタイムコンサート」へ。

会場満席のなか、名フィルの山本直人氏率いる<オーボエカルテット>を聴きました。

かの昔?自宅でホームコンサートやってた頃に山本さんをお招きしピアノと演奏したフォーレ「シシリエンヌ」あり、昨年12月のデュオコンサートでご一緒したドビュッシーの「夢」あり、etc.・・・山本さんのオーボエ、伴奏時はピアノに座って5m以内?の至近距離で聴いてる訳ですから、いやもちろん至近距離でもうっとりするくらい素敵なんですが(^^♪そこはうっとりするわけにもいかず('ω')、・・・こうして客席でぼ〜っと聴いていると、抑揚も味わいあるセンスでフレージングも素敵ですし、柔らかい弱音の音色もきれいに伝わってきて、またピアノ伴奏のところVln,Vla,Celloで弾かれると、弦ってとっても表現力あってcantabileの美しさ倍増〜!

ピアノももっともっと10指一人でアンサンブルしなくちゃ、と思いました。

今日のお題の「クラシック音楽とパリジェンヌたち」にちなんだ選曲の、ラストに演奏されたモーティマーという作曲家の「パリジェンヌ組曲」もいい演奏でした。

とっても楽しいひとときでした。

 

      

 

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