ピアノ教室コンセール・イグレック♪
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X'masピアノコンサートプレ&A公演を終えて
投稿日:2014-12-09
6日の「黒田ゆかX'masピアノコンサート」プレ公演&A公演、無事終了しました。
お昼前には雪がちらついたりして冷え込みが気になりましたが、午後には次第に晴れてきました。皆さま、お寒いところをお出かけいただき、ありがとうございました。
さて輸入ピアノ専門店「バロック」のサロンでベヒシュタインピアノを使ってのコンサートでしたが、この楽器、時間経過とともに響きが増してきて、自分のタッチの微妙な変化とペダル配分が織りなす音色がぐんぐん刻々と変化して、2公演を通してリハを含めての5時間強のあいだ、私の脳はその配分分析に全開フル回転でした。
ベヒシュタインのふくよかな響きは、この会場がまるで広いコンサートホールにいるかのような立体感のある響きと奥行きをもった美しさで、みなを魅了したようです。
土曜日にコンサートだったので翌日は上級者のレッスンがあり、週明けになってぐぐっと疲れがでて休養しました。
プレ公演では、ピアノ名曲の数々と、原科庸子さんによる新井良二作品ほかの絵本朗読とピアノのコラボを披露しましたが、小学生たちにまじって園児たちもとても静かに聴き入ってくれました。初めて聞くピアノコンサートだった子たちも多かったことでしょう。きれいなピアノの音色に包まれて、終演後の写真を見ても皆とてもいい表情で、よかったです。
さてきょう火曜日は、なぜか導入〜初心者のチビッ子ちゃんたちが集まる曜日。レッスン前は眼の奥に疲れがあったようでしたが、みんなの溌剌とした目の輝き、いつもならちょっとむずがる場面でもすぐにニコニコ顔で「ピアノじょうずになりたいモード」全開の様子を見て、わずかに残っていた疲れも吹っ飛び、癒されました(^^♪
さて明日は、14日のB公演にむけてこころ新たに調整です。
レッスン室こもれ話
投稿日:2014-09-27
こないだ東京に出かけました。
その話はまたとして、東京に着いた日の夜、小4生徒のお母さまからメール。
「息子は右腕を骨折してピアノが弾けなくなりました。これからのレッスンについて次回相談させて下さい。」
うわぁ〜、何週間?ひょっとして何か月???たいへん〜。
お休みする、って言うのかなぁ?
けど、即、私のアタマに閃いたのは、「<幻想即興曲>の左手をやったら?」ってこと。
それでレッスン日になってそうお話すると、「いや、家でも左手を練習するいい機会を与えられたのかな、って話していたんです。」と言われる。
まぁ、なんて前向きで素敵な発想なんでしょう。
そこで、d-mollのスケールをやった後、読みかけのインベンション第4番d-mollの左手をいっしょに譜読みし、それから読譜したてのショパンワルツ第10番原典版の左手をみっちり。
アフタータッチの話で彼の関心を引き、「コンマ何秒の世界だけどゆっくり打鍵するとこんな音、速く下ろせばfの音だよね、わかる?」・・・いつになく素直〜に聞いている生徒。
とてもていねいに発音に集中して、スッゴイじゃん?!
「そう、左手のワルツ・バスの和音はこんなくらいの音で十分。」と、こんどはガチャガチャとふつう〜の神経で弾いた左手に右メロディをつけて弾いて聴かせる。
「どう?せっかくのメロディを壊しちゃうよね。」
そのあと「幻想即興曲」を弾いてあげると、「え、この曲を僕がやるの?」って心なしか顔赤らめて、かわいぃ〜(^^♪
「このなかの左手ってこんな感じよ。ふつうに強く弾いてしまうと<幻想>って感じする〜?」
「いや、ショパンの即興曲は4曲あって、<幻想>ってタイトルがついてるのはこの曲だけ。あ、でもこれはショパンがつけた訳じゃないんだよね。それでフォンタナ版のほうが有名になっちゃってるんだけど、そういえば最初の左手のところの音がすでに違う。フォンタナ版はこう、・・・で原典版はこう。どっちが簡単?」「フォンタナ版。」「そうなんだよね、でもショパンが書いたほうとどっちがいい?・・・だよね、簡単だからって書き換えちゃうなんて怪しからん。だから原典版でぜひやろうね。」って、まぁそんな話はよしとして。「こんな左手の音だと、カクカクはっきり現実の音?になっちゃうよね〜。だからさ、molto legatoで、さっきのワルツバスみたいに繊細なタッチで弾かなきゃね。これから練習していこうね。」って。
この音バランスの比に、もう彼はダンボの耳!・・・
全体のなかでの、左手の音の美しさに触れた彼。
こうしたことへの気づきは、ありきたりの生活での尋常な神経ではなかなか難しい。
どうかこの生徒にとって有意義な時間となりますように!(^_-)-☆
〜教室の風景〜 秋色、ピアノ
投稿日:2010-10-01
新しい生徒たちのレッスンが、落ちつきつつある。
これまでのレッスンの経緯や理解度がつかめて、方向性が見えてきた。
そんな中、小学高学年の生徒とこんなやりとりがあった。
「う〜ん、よく弾けているけど少し速いというか、マイテンポから外れていると思うな。ちょっと先生には速いと感じられるのだけど、それって本当に弾きたいテンポ?」と言うと、本人には「ちょうどいい」と言う。
「それじゃ、どうしてそのテンポをちょうどいいと思うのか聞かせてみて?」すると「う〜〜ん、・・・・・・弾きやすいから。」と返ってきた。
こうして答えてくれると、問題解決は早いものだ。
そうか、弾きやすい、っか。
意外な答えにしばし考え、でもすかさず、「そうね、弾きやすいといえば弾きやすかもね。でもそれって弾みをつけているからなのよね。」とハ長調の音階をぐわっとすごいスピードで弾いてみせる。
「確かに速い。でもこれってきれい?」
首をかしげるその生徒にこんどは違う弾き方で、「どう?こっちのがきれいだよね?」
そうしてひとつひとつの音に心をこめて弾くことの違いを、実際にふたとおりの弾き方で曲の最初の部分を比較させながら話してゆく。
話し終わると、彼女のバッハは激変した。すばらしい。
不思議なことに同じ速さでも「騒々しい弾き方」と「ゆったりと感じさせる弾き方」というものがある。そういう話は実際のレッスンでしか出来ないが、こないだ大学生のレッスンでも次のようなことがあった。
その生徒は和音連打のたくさんある曲を数ヶ月前から手掛けているが、前から手首が高くて上からたたきつけるようなタッチが目だち、倍音群を聴き分ける抜群に鋭い耳の持ち主なのにもったいない弾き方をしている。
再三注意は与えているものの本人が気付ける日がいつ来るかな等思っていたが、夏前からやっている1指テクニックの短い課題がよくなった最近のレッスンで、自分の和音を奏でるときのタッチの違いにようやく気付くことが出来たようだ。
「そうですね、こうやって弾くと上からたたいている訳ですね。音の違いがわかります。」と言って、大いなる進歩がみえる。
「そう、そうやって一音一音心こめて弾くと神経使うでしょ。」
「はい、この曲とってもむずかしいですよね。」
「う〜ぅん、むずかしいっていうか、そう安直には弾けない。・・・散々これまで何カ月も弾いてきたわけだけど、ねぇ?(笑)」
そういってこんどはヨーロッパ音楽のアウフタクト感についての解説に入り、この問題もアクセントと称して「弾み」をつけて和音連打を弾いたりする傾向と対策についてを交えながらの深い話へとつながってゆく。
この生徒も、話の後、深みのある音を醸しだした。さすがにいい耳だ。
いろんな生徒がいるが、相当弾けるのに長いことまとまらないものもいるし、かと言えば、指が回るところまでゆかないものもいる。
とりあえず弾ける生徒には音楽の精神性を伝えそれが受け留められて熟す時間が必要だが、ピアノが大好きでそこまで来ているのだから断然有望格と信じるし、また後者はまだまだこれからだが、雑な音に耳を汚すこともなく純粋に時間を送ってきているわけだから、これから音楽をいっぱい聴いて、いい音に触れて、自分もそんな風に奏でたいと芯から思えるならば、これまた優れた有望格であり、楽しみなのです。
だから私には初心者の45分にも上級者の60分にもまったく同じ情熱が要るし、伝えたいことは山ほどある。
すっかり秋になり、酷暑と湿度で変動しっぱなしの教室のピアノの音もおちついてきましたね。
皆の感性も俊敏になってきたのでしょう。
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