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ピアノ教室コンセール・イグレック♪


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音楽祭ラ・フォル・ジュルネ金沢2011(2)

投稿日:2011-05-09

5月3日

11:00庄司紗矢香、タテアナ・ヴァシリエヴァ、ミシェル・ダルベルトによるシューベルト:ピアノトリオ第2番。やはり何といっても庄司の人気で、早くから完売だったらしい。

庄司紗矢香のvln、凛とした音色のなかに優しさ、健気さが感じられ、T-Z-T、T-X-T、オクターブ進行のなかの深い音程感の表現が見事で、ダルベルトのやや厚みのある音構築さえも庄司の奏でる単旋律が、明確な方向にぐいぐいと力強く引っぱってゆく。

心の襞にある感情をえぐり出してゆくようなシューベルトの音楽は、やはり圧巻。感動した。

 

午後、2つのオケをはさんで、15:00オリヴィエ・シャルリエによる「幻想曲」とアンドレイ・コロベイコフのピアノソロで「さすらい人幻想曲」。どちらもリリカルな曲で、vln&pianoでは2人の対話、斉唱が美しく歌いあげられる。「さすらい人〜」は何と魅力的な演奏だったことでしょう。音群を映像でも見るかのごとく立体的にはっきりと構成感ある明確なタッチで浮き彫りにしてゆく。とても快い演奏だった。

 

16:30〜のライプツィヒ・カルテット&アンリ・ドマルケットのチェロのメンバーで、シューベルトの弦楽クインテットをはさみ、18:00シャルリエ&OEKでベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調を聴いた。

気品のある甘美な雰囲気を漂わせる曲で、シャルリエの風格ある音がこの曲でいっそう映える。

きょうの締めくくりに、大いに満足。

 

ホテルに戻る前に買いものを、とJRコンコースに差しかかると、東京大学音楽部管弦楽団のコンサートが始まったところだった。道すがら耳にしながらスーパーへ。ちょうどレジで、フランソワーズ・モレシャンさんご夫妻の姿をみかけた。

 

5月4日

今回の震災関連で海外演奏家の公演キャンセルが相次ぐなか、この「ラ・フォル・ジュルネ」でも一部予定していた演奏家、それに付随する曲目の変更があったが、この日の朝楽しみにしていたオーケストラ版「死と乙女」が変更になったためチケットをキャンセルし、交流ホールでの半券で入れる東京大学音楽部管弦楽団のコンサートにふらりと出かけた。指揮は現田茂夫。大学時代の同期だ。前のほうに席がとれる。彼の細やかな指揮振りは感動的。楽しめる公演だった。 

        

      The University of Tokyo Orchestra

 

12:30 ここから日帰りで参加の友人、森崎一子さんといっしょに聴く。

まずはアンドレイ・コロベイニコフによるシューベルト・ピアノ作品の数々。昨日の「さすらい人〜」でも思ったが、推進力のある個性豊かな演奏は印象的で、10指の音に誠実、という感じ。敬服。

 

15:00 ライプツィヒQで「ロザムンデ」。昨日とうって変わって信じられないほど繊細な音にまで各部弾き込まれていて、甘美で優しい表情に包みこまれる。

 

16:00 OEK井上道義指揮&M.ダルベルトのピアノでリスト編曲による「さすらい人幻想曲」ピアノ・オーケストラ版。このたいへん意欲的でレアなプログラムでのピアノパートは、シューベルトというよりそこはリスト。ダルベルトがゆでダコのように真っ赤な顔になって弾いている。

こうしてこの曲を聴けたことは幸せだ。

 

  Michiyoshi Inoue & Michel Dalberto

        Michel Dalberto : encore

 

 17:15 ホルツマイアーのBr.で、シューベルト「白鳥の歌」。

表現力いっぱいのキャラクターで、時に寒く震えあがるような哀愁や孤独の表情、春風のような優しくあたたかな憧れの表情などきめ細かなニュアンスが綿々と謳いあげられ、感動的。ホルツマイアーのファンになりそう。

 

       Wolfgang Holzmair

 

18:30 ここで森崎さんを足早に見送り、アンヌ・ケフェレックのpiano、吉田秀のcbとライプツィヒQでシューベルト「ます」。

私にとっては中学生の頃に地元音楽家による演奏を聴いて以来だったが、とても重厚で緊密なアンサンブルで、オーケストラの響きを感じるほどに充実していて素晴らしく、感動した。

音楽祭フィナーレにふさわしい熱演だった。

 

今回こうして様々な分野のシューベルト作品を数多く聴くことができて、幸せだった。シューベルトは31才という短い生涯のなかでほんとうに日記でも綴るがごとくに曲を書いたのかと思わせる。

その作品は宇宙的な視点にもとづく優しさに満ちて、聴く者に安らぎと穏やかさを与えてくれる。

 

またヨーロッパにおいてでさえクラシック離れが言われる昨今、今年も優れた演奏家を紹介し、このような形でヨーロッパ音楽の歴史に触れる機会を各地に提供するルネ・マルタン率いる「ラ・フォル・ジュルネ La Folle Journee」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%AB%E3%83%8Dの存在と心意気は、つくづく素晴らしいものと思う。

  

門下生コンサート2011を終えて&「ラ・フォル・ジュルネ金沢」(1)

投稿日:2011-05-08

5月2日

きょうは晴天。雲ひとつない空に日差しがまぶしい。

9時半起床。昨夜は門下生コンサートを終えて10:30にはバタンキューだったのに、まだ眠い。掃除をすませ、メールチェックをして名駅に12:30。

金沢行きのハイウェイバスに乗り込む。

 

乗車前に買ったお弁当を早速開ける。私は松浦商店のお弁当がお気に入り。

店員さんにどれが松浦商店製か聞いて、選ぶ。

きょうチョイスしたのは「名古屋弁当」。

8つに仕切られた懐石風のアレンジにうなぎ、天むす、みそカツ、きしめんの胡麻和えなどのお惣菜が入っていて、う〜ん、にゃごやぁ〜気分!

ゆっくり気ままにこうしてお昼を食べられるのも、久しぶり。

おまけに私は乗り物が大好き。バス、船、飛行機。・・・

みんな乗り込んだら食べるか、眠るか、音源聴くかで、ぼ〜っとするしかないのが好き!

 

昨日の門下生コンサートの皆の演奏、素敵だった。

先回ちょうど4月だったので、この一年皆多いに成長したのを見てとれた。

上達したな、と思わせた生徒、(精神面でも)成長したな、と思わせた生徒たち。・・・

年齢にかかわらずご年配の生徒にも、音楽するには広い心意気というものが必要なことを語りかけ、ひととしてどうあるべきかを語るレッスンもあった。まだまだ精神面がほんの子ども達への叱咤激励の配分や、家族のフォローの塩梅まで、最後まで気配れる限り気配り、声をかけ、見守った。

本番を前にして緊張している年少の生徒に向けても、演奏する立場としてどういう心構えが必要なのか、本人に心をこめて語り、またご父兄にもフォローすべき一番近しい人として、その姿勢をふり返させる言葉を向けることもあった。

出演生徒の優に半数以上、よくよく数えてみたら2/3にあたる生徒がピティナ・コンペの課題からの選曲で、この課題が発表されてから2か月余り。

3月1日に全国で一番先に東京で行われた課題曲説明会に出席してからこの昨日の門下生コンサートまでぴたり2か月だから、本当にこのふた月、寸分気を抜けないというか、もうすこし回り道する時間があったとしてもいつもなら見逃してあげられるのだけれど、今回ばかりはその隙を与えずして厳しいレッスンが続いたので、つくづく今回の生徒たちはよくぞ着いてこれたなと思う。皆音楽への情熱に加えて、勇敢さも持ち合せた可愛い生徒たちばかり。・・・レッスンでは細かいことばかりだけれど、昨日ばかりは大きなビジョンで、これからどういった側面を引き出せば可能性が広がるかと、各生徒の演奏を聴きながらイマジネーションを開いていた。これからが頼もしい。

 

同年代の友人の何人もが4月に入ってから新型インフルにかかったらしいが、私も先月から副鼻腔炎をこじらせているようで、すっきりしない体調のまま5月に入ってしまった。きょうも軽い頭痛があるのだが、やっとのんびり、ぼ〜っと出来る。

16:45金沢着。チェックインのあと、すこし休む。

 

さて、金沢の「ラ・フォル・ジュルネ音楽祭」に来るのも今年で3回め。

今年のテーマは、シューベルト。今夜から10公演以上を聴く予定。

これから3日間、ピアノソロやバイオリンソロはもちろん、オーケストラ、カルテット、五重奏に交じり、歌曲も聴けるのがすごく楽しみ! 

 

         

 

今夜は8時から、井上道義指揮のオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)+ウォルフガング・ホルツマイアーのバリトンで歌曲集「冬の旅」全曲。

行きたいピアニストのリサイタルでさえなかなか時間を作れない昨今、こういったプログラムを聴きに出かける贅沢って、まずあり得ない。

シューベルトの深い哀愁と孤独の人生観、何と美しくも儚く語るのか。・・・ヴィヴラートの多いメロディ、テヌートのかかったピチカートなど、弦の美しさが映える。

奥深い厭世観が導く美の世界。・・・圧巻。

シューベルトって、すばらしい!        

     ISHIKAWA ONGAKUDO 

 

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